明鏡止水

割とちゃんとまとめた感想とぐちゃぐちゃの私信

栗鼠のセンチメンタル 感想

・オープニング

 私はオープニング演出が大好きなのでめっちゃ注目してました。おしゃれぃし演劇チックで好きでした。今回はリストの掛け合いだったけどタイトルいう感じとか、メタっぽい映像なしの演出もとてもすきっすきです。あとサイレントで伝える表現力がたまらんでした。特に浦井さんはこう持っているしゃべってないときのおもしろさがあるのなんなんでしょうか。動きの表現力の高さ!チクベス衣装もすきなのでコントなのに見れたのがよかったです。

 

・見たことのない景色

 全部素敵だったけどこれは特に素敵度高かった気がする。これも本当浦井さんの動き力の高さ~!ってかんじですよね。平井さんの女装がどんどんかわいく見える系でした。これはあるあるです。今の時代遠くにはいけないけど、近くにもたくさんの見たことのない景色ってあるんでしょうね。

 

・怪物のメランコリー

 これ一番好きだったかもしれません。とってもかわいくて癒されました。平井さんのかわいいとクールの演じ分け怖い。シュールなSFファンタジー的な世界観がとても好きなのでドンピシャな感じでしたね。人間の悪い言葉に惑わされないで、っていうのがとても響きました。SFで時代背景が現代じゃなさそうなのに現代的。これが未来だと考えたら、共生する未来でもこうして人の言葉は強い意味を持っていてそれが良くも悪くも作用するのだろうなあ。

 

・花のない世界

 小道具、浦井さんがつくっていたやつこれかなあって思ってました。思ってた以上にすごかった、咲かせ方!あとこれは全部見たうえで見返したらさらに感動するやつですよね、ツーステップ…映画かよ…。平井さんのやるのって今まで頭いいゆえに放つ言葉、とか自分の世界観のあるちょこっと変な人、みたいなイメージがあったので素直にアホの子役ってあんまり見たことなくて新鮮な気がしました。あと浦井さんが声はってるだけで面白いですね。

 

・父のプライド

 全編通して一番コントっぽいのがこれだったのかなあ。この次のやつも結構そんな感じだったけど。浦井さんがボケになって平井さんが女装するとコント感が強まる。気がする。ここら辺まで見て改めて二人とも関西人なんだなって思いました。ってことは今まで割と自然に標準語使いこなしてたよなぁと思ってびっくりする。私も西側の人間だから細かい違和感はわからないけれど。男性ブランコは全部最終的にハッピーエンドにしてくれるんだろうなあと思いつつも、私はバッドの人間だから変な解釈しがち。このタイトルであのオチだと何重にもなって実は大病だったの隠してるんじゃないかって想像してしまった。あとなんで平井さんは父娘の関係性描くのうまいんだろう。父子家庭となった今やめてほしいくらいに響き渡る。

 

・犬のペットショップ

 これも比較的コントっぽいコントでしたね。ちょっと考えたらオチわかりそうなものだったのに、前回台本でしか読んでないからか予測できなくて「あー!」ってなって悔しかった。でもあの照明見られて嬉しかった!淡々とした浦井さんのボケ好きすぎてこのシリーズまた見たい。あと女装ツッコミも標準語バージョンも対応してるのすごい。

 

・博士の純情な愛情

 浦井さんが大声出してたらそれだけで面白いし、表情がもう面白いし、腹立たせる顔うますぎる。浦井さんのいい声の独白が世界観を作っている気がして私は大好きです。平井さんのデルタもとてもいとおしかった。機械の反抗期とそれをいなす博士かわいいですよね。浦井さんは本当いいお父さんって感じでした。最後のコントなので今までのコントが伏線になってて、それを見つけたときの感動。あと時系列もすごい効果的ですよね…。過去と未来が交錯している感じ、メメントか。改めて見返しても最も心鷲掴まれるのはこのコントだと思います。

 

・全編通して 

 音楽と映像はほんとに最高でした。音楽良すぎてしびれました。トニーさんのギターとハープの素朴感が世界観とのコントラストになっていて毎回終わるたびに引き戻される感じがしんどかった。最初のオープニング映像も素敵すぎて始まったばかりなのにちょっと泣いちゃいそうでした。ずっと二人とも良いなあと思っていたのですが、今回さらに平井さんの演技すごいなって思いました。今まで見たことない感じの役がちょこちょこあったからかな。浦井さんのツッコミもいつももう少し優しいイメージだけど今回結構強い場面が多かった気がします。

 演出も映像も音楽も演技も全部よかったのだけど、個人的には一番大事にしているのは脚本部分なのでそこがやっぱりよかったのが大きい。今まで見た中でもかなり上位、少なくともオンラインで見た舞台の中では最高。これをお笑いとして括ってしまってもいいのか、演劇の一部としてもいいのか、今までよりもコントの芸術性みたいなものがより可視化されているような気がする。メッセージ性もあるのだけどそれが本当にやさしくて、やさしい人が書いたというのが何も知らなくてもわかると思うんです。

 今回は本当に楽しみに楽しみにしていてこれくらいしか楽しみがないなかで多くのストレスを享受していたので、こんなに期待して大丈夫だろうかと思っていました。でも期待していた上をいかれたので腰を抜かしたというか、興奮してしまって心拍数上がりまくって体調悪くなってきました。なんてことを。オンラインだとなかなかこれを見てほしい!って思うことないし、あってもそれを発信するほどではなかったし、終わった後感想を言うだけくらいのつもりだったのだけど、これはどうしても見てほしいなあと思います。

 前回オンラインで見たのがまた学で、めちゃくちゃ教育実習中のストレスマックスだったときなので本当に救われたというと言い過ぎかもしれませんがこれのために頑張っていたなあと思いました。そんなの思い出して泣きそうになってしまったくらい。そのときも期待値は超えられたし、すごく楽しませてもらったのだけど、それでも今回はその比じゃなかったんだろうなあ。全部を見てきたわけじゃないので安易に過去最高だとは言えないけど、ここまで言うほど、感じるほどよかったことって生でもあんまりない気がしました。すごすぎたのでしんどかったです、良すぎるのやめてほしいくらい。毎回今度は生で見るぞと思いながらも状況が変わりまくって生で浴びれない日々を送っています。もうここ1年くらい生の舞台は見られていないけど、いつか生で浴びたら目ん玉潰れちゃうかもしれないので心配です。